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ブランドとは

THINK

銀座四丁目交差点
ハイブランドの旗艦店が立ち並ぶ銀座

木口恒事務所は、ベンチャー企業やスタートアップ、お店の新規開店など、「新規開業専門」のブランディング事務所です。
今回は改めて、木口恒事務所が考える「ブランド」の定義について、記したいと思います。

ブランドのはじまり

ブランドという言葉を辞書(大辞泉)で調べると、「銘柄。商標。特に高級品として有名な商品と、その商標。」と出てきます。
その語源は、自分の家畜と、他人の家畜を区別するために、牛の脇腹に焼き印を押す[burned]が語源とされています。
確かに、「他と違う」という意味では、納得いく語源ですね。

18世紀になると、スコットランドのウィスキー輸出業者は、ウィスキーの樽に焼き印を入れて偽造を防ごうとしました。
これがいよいよ、ブランドのはじまりです。

ブランドの起源となった牛とウイスキー
ブランドの起源となった牛とウイスキー

近代的なブランドの先駆けは、世界的な消費財メーカー「P&G」の創設者、ウィリアム・プロクターの息子である、ハーレー・T・プロクターによると言われています。
彼は、マーケティングの天才と言われていました。
当時販売されていた石けんをより小型化し、包装。その包装には「アイボリー」というマークを付けて、販売されました。
まさしく、他と違うことを売り出し、成功を収めたのです。

ブランド=雰囲気

私は、ブランドとは「雰囲気」であると思っています。
雰囲気とは「ある特定の場所や事物、人物を取り巻いて、感じられる光や音、匂い、気配などを総体として捉えて語ったもの。」とされています(Wikipedia)。

雰囲気は、佇まいとも言い換えられます。
その会社が醸し出している空気、雰囲気。
目にしたときに感じられる佇まい。
そういったものが一体となり、ブランドとして、社会に認知されるのです。

ブランド力が強い会社や組織は、「雰囲気がある」と言えます。
人にも、独特な雰囲気を持った人がいますが、会社も同じです。

ブランドのイメージ
企業から滲み出ている雰囲気こそ、ブランド

人に何か相談をした時など、「君らしくないよ」と言われたことはないでしょうか。
会社も、人から思われているその雰囲気に合致しない行動をしたとき、落胆されたり、最悪の場合は去って行ってしまいます。
せっかく作り上げた雰囲気を壊してはいけません。
また、言ったことや考えがコロコロ変わる人は、なかなか信用を置くことができません。
環境に順応するように、製品やサービスを変化させるのは、会社の経営として必要なことですが、理念やビジョン、ロゴをことあるごとに変更するのは、いかがなものでしょうか。

ブランディングデザインとは

「ブランディング」は、企業の価値を上げる努力をすることです。
その第一歩として、

  • 自分たちには何ができて、何ができないのか
  • 自分たちはなぜ、この製品・サービスを提供しているのか
  • 自分たちは、社会の中でどのような立場にいるのか
  • 自分たちは、これからどこへ向かおうとしているのか

ということを、経営者のみならず従業員全員にも、わかりやすい形で共有することから始まります。
ブランディングは、この作業に膨大な時間を割きます。

中には、この作業で、ブランディングの作業はほぼ終わりである、と言う人もいます。
その考えは間違っていないのですが、私はやはりブランドの「見た目」、デザインを検討してこそ、ブランディングといえると考えています。
ゆえに、「ブランディングデザイン」事務所という表現を用いています。

ブランドの見た目とは、言葉の通り、会社のロゴやウェブサイト、店舗の外観、グッズなど、目に見える全ての部分のことです。
「VI(ビジュアル・アイデンティティ)」と呼ばれます。
VIをきちんと整備し、どのような場面でも「その会社と分かる」ようにすることで、ようやくブランディングができたと言えます。

ブランディングとブランディングデザイン
ブランディングがあって、ブランディングデザインがある

ブランドは全てを救う

ブランドの効能は様々あります。
強いブランドになると、

  • 他と違うと認識される事で、継続した売り上げが期待できます。
  • 自動的に顧客に選ばれるようになることで、コストの削減につながります。
  • 社員に「そのブランドに関わっているのだ」、という誇りが生まれます。
  • 「カッコいい会社に勤めたい」という人にアピールでき、採用活動において優位に働きます。

という効果が生まれると言われます。

私は、ブランドが会社の全てを救うと考えています。
しかしながら、強いブランドになるためには、並大抵の努力では不可能ですし、同時にあっという間に崩れ去ってしまうものでもあります。

ブランドはつくれない

ブランドは、人のこころに生まれるものです。
「あぁ、この会社はいいな」「この会社はかっこいいな」「またこのお店に来よう」「同じ値段だったら、こっちの製品の方がいいや」と、心の中に表れます。
ゆえに、ブランドは作り出すことはできないのです。

ブランドはつくれない

人の心に踏み込んで、「はい!」と手渡しできるものではありません。
ただ、「こういう会社だけど、気に入ってもらえるかな」と表現することはできます。
会社ができることは、振る舞いをコントロールすること。
それに全力を尽くせば、人の心に「いい(強い)ブランド」として認知されるのです。

ブランド=高いものという誤解

先述の辞書にもありますが、「ブランドは高級品である」という誤解が、未だに多く見受けられます。
シャネルやグッチなどの「ブランドもの」は確かにあります。
しかしながら、ブランドはそういったファッションブランド、ハイブランドだけの概念ではありません。
どのような会社や組織にも、ブランドという概念は当てはまりますし、その強さを身につける事ができます。
現に、GoogleやAppleといったIT企業は、ここ10年で急激にブランドの力を身につけた企業といえます。

そして、もう一つのブランドの誤解として、「ブランドづくりは高くつく」というものがあります。
確かに、テレビや新聞、雑誌などで広告を展開させ、一気に社会へ認知させるためには、かなりの金額が必要です。
しかしながら、ブランドは、広告を打てば出来上がるものではありません。
ブランドに関しては「広告を打って終わり」ではなく、毎日の地道な積み重ねが、会社のブランドをつくり上げます。
派手に広告をたくさん打つよりも、会社が醸し出す雰囲気に気をつけたほうが、ブランドづくりの近道なのです。

ブランドづくりは地道である

社員が渡す名刺、封筒、会社自体の雰囲気、そして社員の人の振る舞いなど、「目に見える全て」がブランドを作り上げます。

社会との接点全てがブランドを作る
社会との接点全てがブランドを作る

ブランドは、目立つ広告を一回打てば手に入るようなものではありません。
よく、ブランドのお話をすると、短期的な効果を期待されます。
しかし、ブランドの観点から言えば、短期的な効果は期待できないと考えてください。
10年、数十年という長いスパンで観ると、ブランドは絶大な効果を発揮するようになります。

当事務所は、ブランディングデザインの事務所です。
理念の構築や、「見た目の表現」はお手伝いできます。
しかしながら、その先、実際にブランドを作り上げていくのは、その会社にいる皆さんです。
毎日の仕事ひとつひとつが、ブランドになります。

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